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2023.08.21
部活動
「寝静まった本」と「未来を見据えた過去の生き物」
8月17日(木)~20日(日)の4日間。「桜丘文化展」が豊橋文化会館で催されました。生物部は実際に飼育・保管している生き物やはく製などの展示、美術部は3月末から4月に制作を開始し完成させた絵画が展示されていました。今回は、美術部員2名に作品について取材をしてきましたので、その内容をお届けします!

1人目は1年生の掛川智史くん。作品名は「蒼の図書館」。
もともと絵を描くことが好きだった掛川くんですが、美術部に所属したのは高校生になってからだそうです。
Q.この作品の制作期間はどのくらいだった?
A.入学してからすぐなので、約4か月ほどです。今まで絵を描くことは好きだったけど、このような作品を作り上げる経験は初めてでした。
じっくり見てみると、1冊ずつ丁寧に描き込まれた本、自然と視線が引き込まれる中央のステンドグラス、上部に目を向けるとガラス越しに夜空が見えます。構想し、描き、直し、また構想し、描き、、、を何度も繰り返した軌跡を感じられます。
Q.図書館が好きなんだね。どうして時間を“夜”にしたの?
A.そうですね、「寝静まった本」を描きたくて夜にしました。
ただなんとなく、ではなく明確な意図を持って描かれた作品でした。1年生ながら本当に素敵な作品を紹介してくれてありがとうございました!

(1年 掛川智史くん 「蒼の図書館」)
2人目は3年生の柴田大駕くん。作品名は「Lost Creatures」
会場に入ってすぐ目に入る位置に展示されている彼の作品。作品名を直訳すると、絶滅生物。あまりの上手さに息をのみました。
Q.この作品の制作期間はどのくらいだった?
A.構想を含めると約5か月ですかね。この期間中は、ずっとこの作品のことばかり考えていました。
同じ生き物でも、種族によって皮膚の質感が違いますよね?恐竜と魚類、昆虫など。すべて質感の違いが分かるように描かれています。本当にきめ細かい。ただ、ひとつ気になることがありました。
Q.どうしてここに描かれている生き物たちは、みんな左を向いているの?
A.左を向かせることで、この生き物たちが「未来を見据えている」ことを表現しました。表現技法の1つなんですが、左向きは夢や希望、右向きには不穏を示唆するそうです。漫画でも使われています。
向く方向で表現されるものがガラッと変わる。生き物の質感だけでなく、込めた想いにもこだわりを持っていました。過去の生き物たちが、みんな揃って「未来を見据えている」。生き物たちに込めた未来志向は、きっと制作した柴田くんの想いも乗せられているのだと感じました。

(3年 柴田大駕くん 「Lost Creatures」)
掛川くん、柴田くん、貴重なお話を聞かせてくれてありがとうございました!作品について語る2人の言葉はイキイキとしていて、目の奥に宿る情熱をひしひしと感じさせてもらいました。今回が最初の掛川くんと、今回が最後の柴田くん。今後の活躍にも期待しています!
さて、十数点の作品が展示された「桜丘文化展」。「見逃してしまった・・・」とお嘆きのみなさん。学園祭でも展示されますのでお越しいただくことのできる方は、ぜひご覧になってください!
取材に協力してくださった顧問の先生、部員のみなさん、ありがとうございました。
(文責 三島)