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2023.04.07

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入学おめでとうございます

4月6日に本校入学式が行われました。前回の記事では入学式の様子と、生徒会長の新入生歓迎の言葉を紹介させていただきました。

今回の記事では、新入生誓いの言葉、そして本校校長の式辞を紹介させていただきます。

 

新入生誓いの言葉

長かったコロナ禍が明けようとしているこの春、今日私たち618名は桜丘高校に入学します。

私たちは中学校では入学してから卒業まで3年間ずっと、行事や部活動、日々の生活で様々な制限の中で過ごしてきました。行事1つが開催されればありがたく感じ、学校生活の大切さを最も実感している学年です。だから高校では日常生活を思い切り楽しみ、自主活動も含めて、1つ1つの活動にしっかり向き合って積極的に行動していきたいという思いでいっぱいです。

私は英数科生として、日々の授業を大切にして、勉強には手を抜かないと決意しています。普通科、音楽科、高等部に進む同級生たちは、自分で選んだそれぞれの科で決意を新たにしています。部活動や自主活動に励む各科の同級生たちに負けないように、勉強や行事で自分を磨き、多くの人々に認めてもらえる人間になるのが私の目標です。

また、多くの人と出会えるのも桜丘の魅力です。今日を境に618名もの同級生ができました。多様な個性をもった人とかかわり、様々な思い出を作るのも高校生活の目標です。

そしてお世話になる先生方へ。すばらしい授業をしていただけるのはもちろん、あらゆる場面で頼れる先生方の存在は、高校生活の心強い味方です。未熟なところばかりで社会に出るには程遠い私たちも3年後、成長して桜丘を卒業するときまで傍で応援してください。喜びは一緒に分かち合い、失敗には寄り添って正しい道へ導いてください。

最後に私たちの入学までの日々を応援して支えてくれた家族へ。15年間育ててくれて、今こうして私たちがこの場にいることができるのは家族のおかげです。私たちの喜びにも悲しみにも寄り添ってくれたおかげで私たちはここまで成長できました。ありがとうございます!この感謝の気持ちをこれからの高校生活の中で示していけたらと思っています。

家族の皆様、校長先生をはじめ諸先生方、先輩方、これからもまだまだ心配も迷惑もかけると思いますが、未熟な私たちを温かく見守っていてください。どうぞよろしくお願い致します。

令和5年(2023年)4月6日 新入生代表 間野葵咲人

 

新入生の皆さん、入学おめでとう! ようこそ桜丘へ!

この日を楽しみにしていました。真新しい桜丘ブルーのブレザーが、この体育館に爽やかな風をそよがせてくれています。今日から三年間、桜丘生としての誇りを持って、学内・学外を問わず、大切に着用してください。

 さて、やっとコロナウィルスから解放される兆しです。皆さんの中学三年間丸々、コロナと共に でしたね。マスク着用を余儀なくされ、いつしか、付けていないと落ち着かなくなりました。マスクを外した顔の卒業アルバムを見て、いつもと印象が違う友だちもいたのではないでしょうか。世界規模で何らかのウィルスと闘うのは、百年に一回というレベルです。そういう意味では、人生の中の記憶に残る三年間でしたね。現在は規制も緩和され、マスク着用も任意となりました。急に外すのは抵抗がある子も多いと思います。世間では中・高生に対し、「多感な時期にマスク生活となり、今さら外せと言われても顔を見られることに抵抗があるだろう。無理はさせない方がいい」と同情的です。一方で、「それは優しさのようで優しさではない。本当の優しさは、思い切ってマスクを外して、お互いに顔を見てコミュニケーションを取っていくよう背中を押してあげることだ。」という声もあります。私は・・・その両方に共感します。物事には複数の側面があります。一方向から見て「こうだ」と決めるのではなく、別の方向からも見て、より良い導きをするのが学校の役割です。マスクに対して、無理して外さなくてもいいです。

でも、桜丘は FACE TO FACE を大切にしています。つまり、生徒同士、生徒と先生、先生同士、向き合ってしっかり顔を見てコミュニケーションを取ることに価値を置いています。だから皆さん、少しずつ笑顔を見せてください。

 この春休みは、WBCで日本中が沸き上がりました。私はそんなにスポーツ観戦をする方ではありませんが、ついつい日本を応援していました。準決勝のメキシコ戦、9回表のメキシコの攻撃を終え、5対4でメキシコがリード。その裏、日本の最後の攻撃です。私はその時なぜか負ける気がしませんでした。根拠のない自信がありました。その時ふと、部活動を思い浮かべていたのです。部員全員で苦楽を共にし、中学にしても高校にしても、三年間みんなで励まし合って練習に取り組む。時に顧問に叱られ、時にレギュラーから外され、泣くのも笑うのも一緒。隠し事さえバレてしまう、家族のような仲間同士。侍ジャパンのほとんどの選手が、かつては部活動に所属し、ピンチを諦めず、みんなで勝ちに行くという経験をしていたと思います。その誇るべき日本の国民性が必ず勝利につながると信じていました。一方、メキシコは、太陽が似合う明るく陽気な国、テキーラという強いお酒を好み、ひとりひとりが「自分の人生を楽しもう」という楽天的な国民性。それはそれで素敵です。ですが、ピンチの時に我慢強くチームで乗り越えるという文化は、日本ほどはありません。そこに差が出ました。トップバッターは大谷選手。二塁打を放ち、「さぁ行こう!ここからだ!」と言わんばかりに、二塁ベースから大きなジャスチャーでベンチのメンバーを煽り鼓舞していました。そんな大谷選手にこたえるかのように、出塁し、結果、見事逆転勝利。ついにアメリカとの決勝戦にコマを進めました。

 アメリカのチームメンバーは、ほとんどがメジャーリーガーでした。にもかかわらず、侍ジャパンは地道にコツコツ攻撃、諦めない野球を貫き、最後は感動的な勝利を決めました。

 実は、部活動というのは、日本独特の文化です。例えばアメリカにも部活動はありますが、三年間続けるというより、一年ごとで競技種目を変え、ひとりひとりがスポーツを楽しむことが目的となっています。さらに、ホームルームクラスの位置づけも違い、朝、クラスで顔を合わせたら、その後は選択した授業の、先生の教室に生徒自身が移動し、授業を受けます。クラス単位で活動することはあまりないそうです。

 日本では、中学でも高校でも、クラスや部活動をとても大事にしています。なぜなら、そこから得るものや学ぶことが多いからです。クラスで授業を受けたり、行事に取り組んだりする中で、個性多様な仲間を知らず知らずに受け入れ、認めてあげることにつながっています。クラスが居場所となり、家族以上に一緒にいる時間が長い分、人生の中でかけがえのない存在になります。それは、部活動も同様です。私たちからしてみたら、クラスや部活動は当たり前のことですが、世界ではそうではありません。昨今、日本の集団生活や集団活動は、注目され評価を受けています。

 皆さんは今日こうして、桜丘高校に入学しました。今、私が述べたように「学校」という単位の中で集団生活をあらたに始めますね。ただ、集団生活を強いるつもりはありません。苦手な子もいると思います。苦手であることを恥じる必要もないし、そのことを正直に担任の先生に伝えてください。学校は誰もが通っていい場所です。自分の気持ちを一番大切にしながら、自分のペースで学校生活を送ってください。

 保護者の皆様、本日はおめでとうございます。親の愛に勝る愛はありません。「友だち、できるかな」「担任の先生はうちの子のこと理解してくれるかな」など、悩みや心配事は尽きませんね。子どもが元気なら親も元気、子どもが悩んで苦しそうなら、親も苦しくなる。時に子どもと自分の二人分の人生を生きているような、そんな辛い時期もあるかと思います。全ては親だからこその責任や愛情なのだと思います。

高校時代は、思春期を終え、大人になって行く、人生の中でも大事な時期です。急に大人びて今までと様子が違ったり、親と意見が合わなかったりすることもあると思います。実はそれは、子どもたちが自立しようとしている証です。学校の役割は、そんな多感な時期の生徒たちひとりひとりと向き合って、三年間の日常を共にし、成長へと導きます。時に学校の方針と親の思いが食い違うこともあるかと思います。ですが、相互理解できるまで、相談や要望にはとことん向き合いますので、遠慮なく申し出て下さい。教師も親も先に生まれたひとりの責任ある「大人」として、一緒に子どもたちを育てて行きませんか。三年間、どうぞよろしくお願いします。

 それでは皆さん、いよいよ高校生活のスタートです。準備はいいですか? 三年間、よろしくお願いします。

以上を持ちまして、式辞といたします。

 
 
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