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英数科 研究授業! ~Philosophy 英語で哲学~

英数科
 先日、2年T組にて齋藤先生による研究授業がありました。英語でPhilosophy(哲学)に触れてみようということで、ALL ENGLISHで授業が展開されました。
ハーバード大学の哲学の授業映像を使って、「JUSTICE(正義)」について考えます。議題は「あなたはブレーキの壊れた電車の運転手。時速60マイル、線路の分岐手前で気が付きます。線路の直線上には5人の作業員、舵を切った先には1人の作業員がいます。どう進んでも犠牲者が出る。あなたは舵を切りますか?真っすぐ進みますか?」
というもの。この究極の選択に生徒はみな真剣な顔。「5人犠牲になるより1人犠牲になるほうがいいのでは」という意見が多く出ました。
 さらに質問が続きます。「あなたは橋の上にいます。真下を通過しようとする電車のブレーキは壊れており、その先には5人の作業員。偶然橋の上には身を乗り出して電車を眺める男性がいます。ほんの一押しすれば、真下に落ち、電車にぶつかり、5人の作業員は助かります。あなたは男性の背中を押しますか?」というもの。先ほどよりも話し合いは盛り上がり、代表の生徒が発言。「背中は押さない。押すくらいなら自分が落ちる。」との意見に、見ていた教員も含め「なるほど」と声が上がりました。また多くの子も背中は押さないとのこと。
 1つ目のケースは「5人の犠牲より1人の犠牲」が多数。2つ目のケースは「1人の犠牲より5人の犠牲」が多数。5対1には変わりはない。いったい何が違うのかと齋藤先生が問いかけます。
 この問題に対する自分の意見を英語で書き、授業はここで終了。まだまだ話したりないような顔をしている子もたくさんいました。
 哲学とは正解のない学問。正解のない問題に直面する機会は、日ごろの授業において多くはないでしょう。いろいろな価値観や考え方に触れ、さらに自分がどう考えるのか。思考力・判断力・表現力の育成が求められている現代において、英語で哲学に触れる今回の授業は非常に価値あるものだと感じました。
 見学した教員も刺激を受け、やる気に火が付いたようでした。